千葉県資源エネルギー問題懇話会

かとう裕太

那珂フュージョン科学技術研究所で核融合を学ぶ 千葉県資源エネルギー問題懇話会視察

2025年12月22日、千葉県資源エネルギー問題懇話会の視察で、茨城県那珂市にある那珂フュージョン科学技術研究所に伺いました。那珂フュージョン科学技術研究所は、量子科学技術研究開発機構の量子エネルギー研究分野の中核研究所の一つとして、核融合反応で発生するエネルギー(フュージョンエネルギー)を生み出すための研究開発を行っています。那珂フュージョン科学技術研究所の整備は昭和54年に始まり、現在、50万キロワットのフュージョンエネルギーの発生を世界で初めて実証するための国際プロジェクトである「核融合実験炉ITER」計画や、日欧の協力活動「核融合エネルギー研究分野における幅広いアプローチ(BA)活動」の1つである、サテライト・トカマクJTー60SA計画を進めており、経済性に優れた核融合炉に向けた高性能プラズマの開発を進めている研究所となります。フュージョンエネルギーというのは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しなかったり、容易に反応を止められるので安全性に優れていたり、燃料が枯渇することがなかったり等の特長を有しているエネルギーです。そういった特徴から、人類の未来を切り拓くエネルギー源と期待されており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、内閣府のイノベーション政策強化推進のための有識者会議において、フュージョンエネルギー・イノベーション戦略がとりまとめられています。フュージョンエネルギーの実用化はもう少し先にはなりそうですが、温暖化対策の切り札とも言われるエネルギーですので、今後も動向を追っていきたいと思います。