みなさんこんばんは。千葉県議会議員(香取市・香取郡神崎町・香取郡多古町選出)の、かとう裕太(加藤裕太)です。
2026年7月10日、国土交通省、千葉県、香取市・神崎町・多古町を含む空港周辺9市町、成田国際空港株式会社で構成する「成田空港に関する四者協議会」が開催されました。

今回の協議会では、成田空港の更なる機能強化について、方針が確認されました。
一つ目は、C滑走路区域について、地権者との任意交渉を継続しながら、土地収用制度を活用することをやむを得ないものと受け止めることです。
二つ目は、B滑走路延伸部について、2029年度内の先行供用に向けて取り組みを進めることです。
C滑走路区域で土地収用制度を活用することをやむを得ない
成田空港の更なる機能強化では、現在2,500メートルのB滑走路を3,500メートルに延伸するとともに、新たに3,500メートルのC滑走路を整備する計画が進められています。
2018年3月の四者協議会で機能強化について合意して以降、成田空港会社は約8年間にわたって用地交渉を進めてきました。また、2016年以降、400回を超える住民説明会を開催し、移転代替地の確保や相続などの権利関係を整理するための法的支援、地権者への戸別訪問なども行ってきました。
こうした取り組みにより、2026年6月末時点で、機能強化事業全体の用地確保率は90.4%となりました。区域別では、B滑走路延伸区域が99.5%、C滑走路区域が89.6%となっています。
未確保用地は105ヘクタールあり、そのうち52ヘクタールは契約手続中、または契約に向けて協議中で、今後の確保が見込まれています。
一方、残る53ヘクタールについては、移転補償に関する考え方や機能強化事業への理解を得られていないケース、遺産分割協議が難航し、相続人との交渉を進められないケースなどがあり、現時点では契約の目途が立っていません。
このままではC滑走路の整備に必要な用地確保の見通しが立たないことから、四者は、任意取得に向けた取り組みを続けることと並行して、土地収用制度を活用することをやむを得ないものと受け止めることを確認しました。
土地収用制度は、公共性のある事業について任意の話し合いだけでは用地を取得できない場合に、土地収用法に基づく手続きと適正な補償を経て、必要な土地を取得するための制度です。今回の確認によって直ちに個別の土地が収用されるわけではなく、今後、法律に基づく厳格な手続きを経ることになります。
B滑走路の延伸部は2029年度内の先行供用を目指す
B滑走路延伸部については、用地確保率が99.5%に達していることから、C滑走路の完成を待たず、2029年度内の先行供用を目指すこととなりました。
B滑走路が2,500メートルから3,500メートルに延伸されることで、大型航空機が重量制限を受けずに離陸しやすくなります。長距離国際線や貨物便の就航環境が改善されるほか、A滑走路が閉鎖された際の代替性が高まり、空港運用の安全性と安定性の向上も期待されます。
また、国際航空貨物の拠点である成田空港の物流機能が強化されることで、我が国の経済安全保障や地域経済にも大きな効果が見込まれています。
なお、B滑走路延伸部の先行供用の段階では、年間発着枠は現在と同じ34万回とされ、運用時間や夜間の便数制限についても変更しない方針です。年間発着容量を50万回に拡大する本格的な機能強化は、C滑走路の供用後となります。
成田空港の歴史を踏まえた非常に重い決断
今回の土地収用制度の活用は、単なる事業工程上の判断ではありません。
熊谷俊人知事は、当初の成田空港建設が地域への十分な説明や配慮を欠いたまま進められ、大規模な反対運動や地域の深刻な混乱につながった歴史を改めて振り返りました。
また、県収用委員会会長が襲撃された事件と、それを契機として千葉県収用委員会が長期間機能を停止し、県内の社会基盤整備にも大きな影響を及ぼした歴史にも触れ、今回の決断は千葉県と周辺市町にとって極めて重いものであると述べました。
その上で、国際線の基幹空港である成田空港を強化し、海外需要を取り込むという国家的意義を踏まえ、引き続き最大限協力するとともに、国と空港会社に対し、地域との共生・共栄と周辺地域の発展に一層取り組むよう求めました。
空港周辺市町からも、経済効果への期待と同時に、地域の課題を残したまま空港だけが先に進んではならないことや、住宅の防音工事をはじめとする生活環境対策を迅速に進めるよう意見が出されました。
空港の発展を地域全体の発展につなげる
成田空港の更なる機能強化は、日本の国際競争力の向上やインバウンド需要の受け入れ、国際物流ネットワークの強化に欠かすことのできない国家的なプロジェクトです。
一方で、土地収用制度の活用は、地権者の皆様の財産や生活に直接関わる極めて重い判断です。制度上の手続きを進める場合であっても、任意交渉を最後まで継続し、一人ひとりの事情に寄り添いながら、誠意ある説明と対応を尽くす必要があると考えます。
また、成田空港の発展による効果を、空港所在地だけでなく、香取市・神崎町・多古町をはじめとする周辺地域全体へ広げていくことが重要です。
道路や鉄道、公共交通などのアクセス強化や騒音・防音対策、企業誘致・産業集積や観光振興、雇用の創出などを着実に進め、空港と地域が一緒に発展していくSORATO NRT エアポートシティ構想を具体的な成果につなげていかなければなりません。
私も千葉県議会議員として、今回の決定とその重みを十分に受け止め、地域の皆様の声を伺いながら、成田空港の機能強化と香取地域の発展が両立するよう取り組んでまいります。

